他人に見せることは、あまりないので問題ないだろう。ところが、美容整形外科業の医師の多くは包皮切除をしてない陰茎は、数日間不潔にしておいたら亀頭包皮炎になると断言しているものも存在する。だが統計によれば、実際には、このような病気には全体の3%ぐらいしか罹患しない。さらに、哺乳類の動物全ても発情時以外では皮がかむっていて、基本的には性器を一回も洗浄しないが、炎症は起こらない。だから陰茎の不潔は、亀頭包皮炎の必要条件であり、十分条件でないと言える。そのため、美容整形外科医の多くは、包皮をめくって洗浄しなければあるいは包皮の剥けた状態に陰茎をおかねば、炎症を起こすと断言するのであれば、これは、包皮切除するようにと脅迫しているという批判が存在する。 しかし、複数の異性あるいは同性との無思慮な性行為を常とする男性の場合には、性行為に伴う性病感染予防の観点からは、多少の利点は存在するのかもしれない。同様に、美容の観点においても、陰茎包皮が存在しないことにより、男性機能の誇示を目的とし、その結果として生ずる、性交渉の相手へのいわゆる文字通りのセックス・アピールになるのであれば、一概にはその効用を否定できるものではない。しかしながら、包茎による男性性器の性交渉機能の劣位性というものは、いわゆる真性包茎、カントン包茎でもない限り存在しない、というのが一般的な成人男子の実感ではないだろうか。 なお、美容の観点からさらに論をすすめれば、陰茎包皮切除術の術式のなかには、術後の外観があからさまに、包皮切除術をうけたと解る状態になるものもあり(いわゆるゼブラ状の陰茎。根元に近い筒の部分には色素沈着がみられるが、切除部よりも先端側には色素沈着がみられない)、これなどは、美容の観点からは、著しくマイナスに働いているといえよう。
近年、包皮切除(割礼)を受けている男性は、受けていない男性よりも大幅にHIV陽性率が低い、もしくはエイズ罹患率が低いことが明らかになった。男性の包皮切除に限ってであるが、包皮切除者には性病の罹患率が低いことも知られており、これは、包皮を取り除くことにより、細菌・ウィルスのポケット(たまり場所)がなくなることによるものであるとされている。現在イスラム圏である西アフリカのエイズ罹患率が南部アフリカよりも大幅に低いのは、割礼(包皮切除)を受けている男性の割合が高いことが一因であると認められるようになった。ただし、安易にその事実を持ち出して割礼を受けさせる事は、複数人との安易な性行為の増加につながりかねない、という警告も行われている。いずれにせよ、複数の対象者との安易な性交渉を行うの場合には、コンドームの装着がもっとも効果的な対策であることは論を待たない。